こんにちは、マサキ工房です。
21年間のリフォーム営業と工務5年の経験をもとに、「住まいのリフォームに関する悩みや疑問を解決する記事(情報)」をお届けしているブログです。【2016年11月~小さな工務店を経営】
この記事では、外壁と屋根を同時に塗装する場合、屋根足場が必要となる”屋根勾配”の目安について解説しています。
記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 屋根足場が必要となる屋根勾配の目安
- 屋根勾配の簡単な確認方法
- 屋根足場の種類や費用の目安
外壁と屋根を同時に塗装するかたは、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
外壁の足場代とは別料金!屋根足場が必要となる屋根勾配の目安は?
外壁と屋根を同時に塗装する際、上記(画像)のような”屋根足場”を必要とする場合があります。
*屋根足場がないと作業するのが困難なだけでなく、転落の恐れもあるからです。
屋根足場の有・無は、屋根勾配(傾斜)を目安にして塗装業者が判断します。
(屋根の形状や面積にもよりますが)基本的に屋根勾配が5.5寸以上の場合は、外壁とはべつに屋根足場の費用も必要です。
しかし、”5.5寸以上の屋根勾配”とは、どれくらいの傾斜なのでしょうか?
屋根勾配について、わかりやすく説明します。
屋根勾配【尺貫法(寸法)勾配】
屋根勾配は、(現在でも)4寸とか5寸勾配など、「尺貫法(寸法)勾配」で呼ぶのが主流です。
*表記方法は、分数で表す「分数勾配」・角度で表す「角度勾配」があります。
屋根勾配で使用する単位は、以下のとおりです。
< 1尺=10寸=100分 >
- 1尺(しゃく)= 303ミリ
- 1寸(すん) = 30.3ミリ
- 1分(ぶ) = 3.03ミリ
「屋根勾配」とは、10寸(303ミリ)先は何寸(何ミリ)高くなるのか?を表したものになります。
たとえば、平地(フラット)の場合だと、10寸(303ミリ)先は1ミリも高くならないため、勾配なし(ゼロ)です。
「10寸(303ミリ)先は何ミリ高くなるのか?」を5~6寸勾配まで計算すると、以下のとおりです。
*(1寸=30.3ミリ)
- 5寸勾配 → 5×30.3ミリ = 151.5ミリ
- 5.5寸勾配 → 5.5×30.3ミリ=166.65ミリ
- 6寸勾配 → 6×30.3ミリ=181.8ミリ
上記のとおり、屋根足場が必要となる屋根勾配5.5寸以上とは、「10寸(303ミリ)先は166.65ミリ(約16.7センチ)以上高くなる傾斜」ということになります。
*(5.5寸勾配以上)=1メートル先は55センチ以上高くなる傾斜です。
屋根勾配は図面で確認できる!
屋根勾配は、引き渡し時にもらう書類や図面で確認することができます。
立面図や矩計図(かなばかりず)の屋根の部分に、三角形の図形が書いてある箇所があるはずです。
図形の向きは関係なく、2箇所に「10と?」の数字が書いてあります。
たとえば、以下のような場合。
(上記の場合)10と5が書いてあるため、屋根勾配は5寸です。
(上記の場合)10と6が書いてあるため、屋根勾配は6寸になります。
このように”屋根勾配”は、立面・矩計図などの図面で簡単に確認することができます。
「ウチの屋根は傾斜がきつそうだな・・」というかたは、いちど確認してみてください。
また、平屋の場合でも屋根勾配5.5寸以上は、(安全のため)屋根足場が必要です。
(関連記事)
>>平屋の外壁塗装で足場は本当に必要?塗装業者によっては不要になるケースも!?
屋根足場の種類と単価相場【費用の目安】
ここでは、屋根足場の種類と1㎡あたりの単価相場(費用の目安)について解説します。
屋根足場の種類
屋根足場に使用するのは、単管とビケ(クサビ)足場の2種類です。
外壁塗装の足場のように、足元を安定させる道板やブラケットなどの役物は使用しません。
また、外壁塗装の足場と違い、”飛散防止ネット”(メッシュシート)も不要です。
その代わり、屋根足場を支える外壁の足場を最低でも6.5~7m以上の高さで設置する必要があります。
そうしないと、屋根を高圧洗浄した際の隣家へ水しぶきや、塗装作業で塗料が飛散するのを防ぐことができないからです。
「単管とビケ(クサビ)足場のどちらを使用するか?」は、(安全面を重視して)屋根の形状や面積によって判断します。
そのため、屋根足場に関しては、足場の種類を指定する(値引き交渉する)のは避けたほうが良いです。
(関連記事)
>>手塗りの外壁塗装だから足場に不要なのでは?【飛散防止のメッシュシート】
>>なぜ外壁塗装の足場面積は塗装業者によって違うのか?その理由と計算方法を解説!
屋根足場の単価相場
屋根足場は、外壁塗装の足場を設置するよりも困難な作業です。
そのため、(1㎡あたりに使用する足場材が少ない)場合でも、単価相場は外壁塗装の足場とあまり変わりません。
屋根足場の1㎡あたりの単価相場は、以下のとおりです。
足場の種類 | 単価相場(円/㎡) |
単管 | 500~800 |
ビケ(クサビ) | 700~1,000 |
*上記の足場単価に、屋根の塗装面積を乗じた金額が「屋根足場代」になります。
屋根足場代 =屋根の塗装面積(㎡)×足場単価(円/㎡)
屋根足場代の目安は?(30~40坪の費用相場)
2階建て住宅(延べ床30~40坪)の場合、屋根の塗装面積は80~120㎡くらいが大半です。
足場単価の相場は、「”単管足場”が最安値で500円/㎡」・「最高値は”ビケ足場”の1,000円/㎡」になります。
屋根足場代を、屋根の塗装面積80~120㎡のケースで計算すると以下のとおりです。
- <最安値> 80(㎡)× 500(円/㎡)=40,000円
- <最高値>120(㎡)×1,000(円/㎡)=120,000円
2階建て住宅(延べ床30~40坪)の場合、約4~12万円が屋根足場の費用相場になります。
5.5寸以上あるかたは、外壁塗装の足場代とはべつに屋根足場代(約4~12万円)が必要です。
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まとめ
屋根足場が必要となる”屋根勾配”の目安について解説させて頂きました。
外壁・屋根塗装を検討する際、この記事の内容を参考にして頂けると幸いです。
この記事の内容をまとめると、以下のとおりです。
- 屋根足場が必要となる屋根勾配の目安は5.5寸以上!
- 屋根勾配5.5寸以上は平屋の場合でも屋根足場は必要!
- 屋根勾配は立面・矩計図で簡単に確認することができる
- 屋根足場の費用相場は、2階建て住宅(延べ床30~40坪)の場合で約4~12万円位
外壁と屋根を同時に塗装するかたは、上記の内容を参考にしてみてください。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。