こんにちは、マサキ工房です。
21年間のリフォーム営業と工務5年の経験をもとに、「住まいのリフォームに関する悩みや疑問を解決する記事(情報)」をお届けしているブログです。【2016年11月~小さな工務店を経営】
ニッペ『ファインシリコンフレッシュ』の特徴
ファインシリコンフレッシュは、日本ペイントが販売するロングセラーの外壁塗料です。
塗料の種類としては、「超低汚染形ターペン2液形アクリルシリコン樹脂塗料」になります。
標準塗装工程は3回塗りで、下塗り後の「中塗り(上塗り1回目)・上塗り(2回目)」で使用する塗料です。
塗料名 | ファインシリコンフレッシュ |
樹脂 | シリコン |
水性/溶剤 | 弱溶剤系 |
容量 | 15㎏セット (塗料液12.5㎏・硬化剤2.5㎏) 3㎏セット (塗料液2.5㎏・硬化剤0.5㎏) |
希釈剤 | 塗料用シンナーA |
つや | つや有、3~7分つや有 |
色相 | 各色 |
左から→塗料(主剤)・硬化剤・塗料用シンナーです。
”2液タイプ”の塗料で、「塗料:硬化剤」=「5:1」の割合で攪拌(かくはん)したものを、塗料用シンナーで希釈して使用します。
希釈率(薄めてよい割合)は、「5:1」で混合したものに対して0~10%の範囲です。
ファインシリコンフレッシュの8つの特長(メリット)
「ファインシリコンフレッシュに」は、以下の8つの特長(メリット)があります。
- 高耐候性で変色が少ない
- 超低汚染性で汚れにくい
- ターペン可溶塗料でさまざまな下地に適用
- 充実のシリーズで多彩な仕様
- 抜群の作業性で乾燥も素早く冬場の施工も安心
- 防藻・防カビ性
- 透湿性が高い
- 環境にやさしい
1.高耐候性で変色が少ない
「ファインシリコンフレッシュ」は、強固なシロキサン結合によって高耐候性を発揮します。
シロキサン結合とは、ガラスなどの無機物と同じ構造で結合エネルギーが非常に大きいものです。200°Cの高温でも結合が壊れることはないとされています。
そのため、他のシリコン塗料と比べても紫外線による光沢の低下や変色が少ないです。
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2.超低汚染性で汚れにくい
「ファインシリコンフレッシュ」は、特殊セラミック成分により親水性の技術が高く汚れにくい塗料です。
親水性とは、水になじみやすいと理解しておけば良いと思います。
たとえば、(親水性が高いと)外壁にあたった雨水は、広がるようにして下へ落ちていくため、雨すじ(汚れ)が非常に出にくいです。
反対に、親水性が低い場合、外壁にあたった雨水は通り道が偏(かたよ)るため、同じところに雨すじ(汚れ)が出やすくなります。
外壁塗料は親水性が低い塗料の場合、3~5年くらいで汚れが目立つケースも少なくありません。
その点、ファインシリコンフレッシュは「超低汚染」というだけあって、「汚れにくい塗料だなあ」と実感しています。
ホワイト系の色で塗り替えを希望されているかたには、特におすすめします。
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3.ターペン可溶塗料でさまざまな下地に適用
ターペンとは石油から作られた、塗料専用の薄め液(シンナー)のことです。
ターペン可溶塗料とは、シンナーで薄めて使う油性塗料のことで弱溶剤とも呼ばれます。
弱溶剤系なので臭いはしますが強溶剤ほど強くなく、さまざまな下地に適用することができます。
コンクリート・モルタル・PC板・ALCパネル・GRCパネル・セメント無機繊維板・鋼材など
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4.充実のシリーズで多彩な仕様
「ファインシリコンフレッシュ」は、以下の3種類があります。
<ファインシリコンフレッシュシリーズ>
- ファインシリコンフレッシュ
- 高弾性ファインシリコンフレッシュ
- ファインシリコンフレッシュクリアー
ファインシリコンフレッシュの硬化剤を高弾性タイプに替えるだけで、「高弾性ファインシリコンフレッシュ」として使用することができます。
高弾性の塗装とは、ゴムのように弾力性が高い塗装のことです。(色を選ぶことができますが、つや有りのみの仕様となります。)
ファインシリコンフレッシュクリアーは、コンクリート打放し面の保護塗装として使用可能です。
5.抜群の作業性で乾燥も素早く冬場の施工も安心
「ファインシリコンフレッシュ」は、塗装時の発砲がないため塗りやすい塗料です。
素早く乾燥するため、冬場や塗料が乾燥しにくい時期でも安心して施工することができます。
6.防藻・防カビ性
防藻・防カビ性があるため、塗装することで藻やカビの発生を抑制してくれる効果があります。
7.透湿性が高い
「ファインシリコンフレッシュ」は、透湿性が高く結露しにくいため、安心して使用できる塗料です。
透湿性が低い塗料で塗装すると、水蒸気が外壁の内側から外側へ逃げず結露しやすくなり、建物を傷めてしまう原因になります。
8.環境にやさしい
鉛などの貴金属を配合していないため、油性塗料のなかでも環境に優しい塗料です。
シックハウス症候群の原因物質とされる、ホルムアルデヒド・クロルピリホスも配合されていません。
このように、「ファインシリコンフレッシュ」は塗装工事に大切な高耐候性・超低汚染性・使いやすさという点で優れた外壁塗料です。
ファインシリコンフレッシュのデメリット
「ファインシリコンフレッシュ」のデメリットは、作業中にシンナー臭がすることです。
塗料シンナーで希釈して使用するため、どうしてもニオイがしてしまいます。
ただ、着工時からずっと臭いがするわけではありません。
シンナー臭がするのは、下塗りが終わった後の「中塗り・上塗り」のタイミングです。
塗料が乾燥するとニオイは収まりますが、作業する時間帯だけは我慢してもらう必要があります。
シリコン塗料の中でも耐用年数は抜群!
「ファインシリコンフレッシュ」の耐用年数は、以下のとおりです。
塗料の種類 | 耐用年数 |
アクリル | 3~5年 |
ウレタン | 5~8年 |
シリコン | 8~12年 |
ラジカル | 13~15年 |
フッ素 | 15~18年 |
無機 | 18~20年 |
*シリコン塗料は、アクリル樹脂にシリコンが入った塗料のことです。
「ファインシリコンフレッシュ」は、シリコン塗料なので耐用年数は8~12年くらいが目安になります。
8~12年と耐用年数に4年の差があるのは、シリコンの含有率によって同じシリコン塗料でも耐久性に差があるためです。
シリコンの含有率が高いほど耐用年数は長く、含有率が低いほど耐用年数は短くなります。
高耐候性・超低汚染性・使いやすさと三拍子そろったバランスの良いシリコン塗料。
乾燥すればニオイは収まる。
中塗り・上塗りの作業時にシンナー臭はするが、塗料がシリコン塗料の中でも◎、12~15年位は期待が持てる。
耐用年数は塗料の設計価格とは?
設計価格表は誰でも確認することができる
各塗料メーカーの設計価格表は、だれでもホームページなどのサイトで1㎡あたりの材工価格を塗料別に確認することができます。
各塗料メーカーの設計価格表は、施工面積300㎡以上の材工価格が掲載してあるケースが多く、1㎡あたりの単価も安いです。
100~200㎡未満の戸建住宅の場合は、1㎡あたりの単価が安いためそのまま計算すると当てはまらない(赤字になる)こともあります。
そのため、実際の業者見積書は、設計価格よりも少し高くなるケースもあるでしょう。
【 設計価格(材工価格)を詳しく見たいというかたは、建築用塗料・外装仕上げ塗材設計価格表(2022)日本ペイント】をご覧ください。
ファインシリコンフレッシュの材工価格
「ファインシリコンフレッシュ」の材工価格(塗装面積100~300㎡未満)は、以下のとおりです。
下塗り塗料 | 材工価格(円/㎡) |
パーフェクトサーフ | 4,600(3,540) |
パーフェクトフィラー | 5,150(3,960) |
パーフェクトプライマー | 4,500(3,460) |
ファインパーフェクトシーラー | 4,040(3,110) |
*細字の金額は、塗装面積300㎡以上の材工価格になります。
上記は、3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)の金額で、これに塗装面積を乗じたものが塗装価格です。
たとえば、外壁塗装面積150㎡・下塗り塗料が”ファインパーフェクトシーラー”(4,040円)の場合
塗装価格=4,040(円)×150(㎡)=606,000円
外壁塗装面積150㎡の塗装価格は606,000円です。
下塗り塗料によって塗装価格は違いますが、「どの下塗りを使用しても大丈夫!」という訳ではありません。
種類や劣化症状に応じて適切な下塗り材を選ぶことが重要です。
最適な塗装をするためには、外壁の「窯業系サイディング」に塗装する場合
「窯業系サイディング」の外壁に塗装する場合、ヘアークラックなどの劣化が目立つケースでは、「パーフェクトサーフ」という下塗り塗料を使用します。
”パーフェクトサーフ”は、水道水で希釈して使う水性の下塗り塗料で、(きめが細かく上塗りの吸い込みが少ないため)美しい仕上がりになります。
窯業系サイディングの塗装に最適な下塗り塗料です。(水性塗料のため)気になるほどのニオイもしません。
劣化が少ない場合は、シーラー系の下塗り材でも問題ありません。
外壁の「コンクリート・モルタル」外壁に最適な下塗り材
「コンクリート・モルタル」外壁の塗装には、”パーフェクトフィラー”が最適です。
「パーフェクトフィラー」も、水道水で希釈する水性タイプの下塗り塗料になります。
コンクリートやモルタルのひび割れを、微弾性の機能で抑えてくれるというのが特長です。
”微弾性”とは、「ゴムのように少し伸び縮みする」と理解しておくと良いです。
ひび割れがヒドイようであれば、砂骨ローラーを使用して塗装することで、塗膜の厚みをつける「なみがた仕上げ」などの塗装もできます。
「金属系サイディング」に塗装する場合
「金属系サイディング」の下塗りには”パーフェクトプライマー”が最適です。
「パーフェクトプライマー」は、塗料用シンナーで希釈して使う弱溶剤系(2液)の塗料で、外壁以外に付帯部の塗装にも使用することができます。
*柔軟性のある素材にも適応しているため、FRP、硬質塩ビ、木などの素材にも適用可能です。
施工中、若干シンナーのニオイはしますが、塗料が乾燥すれば収まります。
「高意匠サイディングボード」に適切な下塗り材
「高意匠サイディングボード」に塗装する場合は、”ファインパーフェクトシーラー”が最適な下塗り塗料になります。
表面にフッ素や無機・光触媒などの表面処理が施された外装材のことです。 高意匠サイディングボードとは、
「ファインパーフェクトシーラー」は、”主剤”と”硬化剤”を混ぜて使用する弱溶剤系の多機能な下塗り材になります。
無機系の素材のほか、アルミなどの金属系・木質などの有機系素材にも使用することが可能です。
ひび割れやキズなどの劣化症状がある場合は、キズを隠したりヒビ割れを埋めることはできないため注意が必要です。 ただし、外壁表面に
下塗り塗料については、下記の記事でもくわしく解説しています。
ファインシリコンフレッシュの費用相場【20~70坪】
「ファインシリコンフレッシュ」の工事費用相場(20~70坪)は、下記の計算式で算出した価格です。
工事費用相場 = 塗装価格+足場費用+付帯工事費用(付帯塗装・養生・ベランダ防水・シーリングなど)
工事費用相場一覧表(20~70坪)
延べ床面積 | 工事費用相場(税込) |
---|---|
20坪 | 51~73万 |
25坪 | 67~93万 |
30坪 | 82~112万 |
35坪 | 97~131万 |
40坪 | 114~151万 |
45坪 | 128~170万 |
50坪 | 144~190万 |
55坪 | 159~209万 |
60坪 | 174~228万 |
65坪 | 190~248万 |
70坪 | 191~233万 |
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シリコン塗料で迷っているかたは、日本ペイントの「ファインシリコンフレッシュ」を検討してみてはいかがでしょうか。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。