こんにちは、マサキ工房です。
21年間のリフォーム営業と工務5年の経験をもとに、「住まいのリフォームに関する悩みや疑問を解決する記事(情報)」をお届けしているブログです。【2016年11月~小さな工務店を経営】
外壁・屋根塗装を検討する際、塗装業者の保証に不安を感じたことはありませんか?
僕はこれまで、外壁塗装の見積り(商談)を2,000件以上、そのうち1,200軒以上の契約・完工を経験してきました。
「リフォーム瑕疵(かし)保険」は、国土交通大臣指定の保険法人が監修しているため安心できる保険です。
(工事の内容次第で)”補償内容”や”保証(保険)期間”の違いはありますが、(保険の利用も)選択肢に入れても良いと思います。
この記事では、外壁・屋根塗装工事でリフォーム瑕疵保険を利用する場合の「補償内容」や「保証(保険)期間」について解説しています。
記事を読むことで、リフォーム瑕疵保険の”利用方法”やメリット・デメリットがわかります。
外壁・屋根塗装を検討する際、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
リフォーム瑕疵(かし)保険とは?
リフォーム瑕疵(かし)保険は、国土交通大臣が指定する「住宅瑕疵担保責任保険法人」が監修(販売)する保険商品です。
(保険に加入すると)塗装工事の完了後に”瑕疵”がみつかった場合、補修費用を保険金によって確保することができます。
工事を依頼する会社が、リフォーム瑕疵保険の登録事業者であれば、工事が始まるまえに保険料を支払うことで(保険を)利用することができます。
以外は、リフォーム瑕疵保険を利用することができないため注意してください。
登録事業者1-1. リフォーム瑕疵保険の保険料は誰が払うのか?
リフォーム瑕疵保険の保険料は、”登録事業者”と”利用者”(お客様)のどちらが負担するのか?は、とくに決まりがありません。
(見積りしたときに)業者への確認が必要です。
支払う保険料の内訳は、以下のとおりです。
- 保険料(申込み)
- 検査料①(中間検査)
- 検査料②(完了検査)
上記の【保険料(申込み)+検査料①(中間検査)+検査料②(完了検査)】の合計金額が支払う保険料です。
*それぞれの金額は、工事の種類や請負金額・各保険法人ごとに異なります。
外壁・屋根塗装の場合は、工事代金が300万円以下になるケースが大半のため、支払う保険料(負担額)は3~6万円くらいが相場です。
1-2. 保険金の支払額はどのくらい?
保険金は、以下の計算式で求めた金額が登録事業者に支払われます。
保険金の支払額 =(修繕費等-10万円)× 80%
*-10万円は免責金額(登録事業者の負担額)です。
つまり、10万円を超えた補修費用に対して、上記の計算式で求めた保険金が登録事業者に支払われます。
たとえば、補修費用が50万円の場合、保険金の支払額は以下のとおりです。
<保険金の支払額>
(50万円-10万円)× 80% =32万円
上記のとおり、補修費用が50万円の場合、32万円の保険金が支払われます。
保険期間中に登録事業者が倒産した場合
保険期間中に登録事業者が倒産した場合、保険金の支払いはどうなるのでしょうか?
リフォーム瑕疵保険は、保険期間中に登録事業者が倒産した場合、瑕疵部分の修繕は別の工事業者に依頼することになりますが心配は不要です。
このようなケースでは、登録事業者ではなく発注者(お客様)に修繕費の100%が保険金として支払われます。
1-3. リフォーム瑕疵保険を利用するときの流れ
リフォーム瑕疵保険を利用するときの流れは、以下のようになります。
- 登録事業者とリフォーム工事契約(*保険料はどちらが負担するのかを確認)
- 登録事業者がリフォーム瑕疵保険の申込み
- 工事の着工
- 第三者(保険法人)の建築士による中間検査
- 工事の完了
- 第三者(保険法人)の建築士による完了検査
- 保険証券の発行(受領)
しないケースのほうが多いようです。
外壁・屋根塗装の場合は、(請負金額や保険法人にもよりますが)中間検査を保険期間内に瑕疵が発生した場合
(工事の完了後)保険期間内に瑕疵が発生(発見)した場合、保険金の申請は以下のようになります。
- 登録事業者が保険法人へ保険金の申請をして瑕疵部分の修繕をする
- 登録事業者が倒産している場合は、利用者(お客様)が保険法人へ保険金の申請をして(別の業者が)瑕疵部分の修繕をする
(万が一に備え)保険法人名や連絡先などの書類は、大切に保管しておきましょう!
5つの保険法人および(保険の詳細・登録事業者など)については、一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページで確認することができます。
「リフォーム瑕疵保険」を監修(販売)する外壁・屋根塗装工事の「補償内容」と「保証(保険)期間」
ここでは、(リフォーム瑕疵保険を利用したときの)外壁・屋根塗装工事の「補償内容」と「保証(保険)期間」について解説します。
2-1. 外壁・屋根塗装工事の補償内容
リフォーム瑕疵保険を利用した場合、外壁・屋根塗装工事の”瑕疵の対象”となるのは、以下の症状です。
- 白亜化(チョーキング現象)
- 塗膜の剥がれ
- 亀裂(ヒビ割れ)
(保証期間内に)上記の瑕疵が発生した場合には、(保険金が支払われ)補修工事をすることができます。
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>>サイディングの塗装時期は7つの症状が目安!手抜きによる剥離(はくり)に要注意!?
2-2. 外壁・屋根塗装工事の保証(保険)期間
リフォーム瑕疵保険を利用した場合、外壁・屋根塗装工事の「保証(保険)期間」は、外壁・屋根のどちらも1年です。
リフォーム瑕疵保険のメリット
リフォーム瑕疵保険のメリットは、以下の4つです。
- 優良業者かどうか?の判断基準になる
- 国土交通大臣指定の保険法人だから安心
- 登録事業者が倒産した場合でも補償される
- 第三者が検査してくれるため手抜き工事の心配がない
3-1. 優良業者かどうか?の判断基準になる
リフォーム瑕疵保険の登録事業者になるためには、厳正な審査を通過する必要があります。
そのため、工事中の事故やトラブルの多い”悪質業者”などは、登録事業者になることは困難です。
リフォーム瑕疵保険の登録事業者であれば、”優良業者の可能性は高い”と判断することができます。
3-2. 国土交通大臣指定の保険法人だから安心
リフォーム瑕疵保険は、国土交通大臣指定の保険法人が監修する保険のため安心というのもメリットです。
*倒産リスクなどの心配も少なくて済むからです。
保険金の支払いに関しても”安心できる保険”といえるでしょう。
3-3. 登録事業者が倒産した場合でも補償される
登録事業者が倒産した場合でも補償される!というのが、リフォーム瑕疵保険のもっとも大きなメリットといえます。
塗装業者の行う自社保証の場合、倒産した際には(ほとんどのケースで)補償されないからです。
3-4. 第三者が検査してくれるため手抜き工事の心配がない
リフォーム瑕疵保険は、第三者が検査してくれるため手抜き工事の心配がない!というのもメリットになります。
中間・完了検査をおこなうはずだからです。
第三者(保険法人)の建築士は、工事完了後に瑕疵がみつかった場合に保険金を支払わないといけないため、厳正な登録事業者(リフォーム事業者)は、検査に合格するためにも良い工事をしてくれると思います。
工事完了後の不具合も少ないはずです。
リフォーム瑕疵保険のデメリット
リフォーム瑕疵保険のデメリットは、以下の3つです。
- 基本的には保険料(検査料)を負担しないといけない
- 塗装業者がおこなう自社保証より保証期間が短め
- 検査が入るため工事期間が長引く
4-1. 基本的には保険料(検査料)を負担しないといけない
(登録事業者にもよりますが)基本的には保険料(検査料)を負担しないといけない!というのがリフォーム瑕疵保険のデメリットです。
保険法人や工事の種類・請負代金にもよりますが、300万以下の工事は3~6万円の保険料(検査料)が必要になります。
以下のリフォーム工事のケースでは、工事代金に対して保険料の割合が多くなる(=保険料が高くなる)ため、”負担が大きい”と感じるかたも少なくないことでしょう。
50万円4-2. 塗装業者がおこなう自社保証より保証期間が短め
リフォーム瑕疵保険の外壁・屋根塗装工事の保証期間は、塗装業者がおこなう自社保証より保証期間が短め!というデメリットもあります。
塗装業者がおこなう自社保証は、5~10年保証というケースが多く見られます。
しかし、リフォーム瑕疵保険の外壁・屋根塗装工事の保証期間は、外壁・屋根のどちらも1年だからです。
ただし、塗装業者の自社保証は、すべての不具合が補償対象(無料手直し)の期間になるわけではないため注意してください。
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4-3. 検査が入るため工事期間が長引く
リフォーム瑕疵保険は、中間・完了検査が入るため工事期間が長引く!というのもデメリットです。
とはいえ、それぞれの検査時間は数時間で終了するため、(スムーズな日程調整をして)無事に検査を通過すれば2~3日以上工事が長引くということはないと思います。
3つのデメリットのなかでも、保険料(検査料)の金額と「どちらが負担するのか?」は見積りの段階でよく確認することをおすすめします。
上記*登録事業者が負担するとなれば、メリットといえるからです。
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>>外壁塗装の工程ごとに『見積書のチェックポイント15箇所』と単価・費用相場を徹底解説!
まとめ
外壁・屋根塗装工事でリフォーム瑕疵保険を利用した場合の「補償内容」や「保証(保険)期間」について解説させて頂きました。
外壁・屋根塗装を検討する際、この記事の内容を参考にして頂けると幸いです。
(記事のなかでもお伝えしましたが)リフォーム瑕疵保険の登録事業者は、優良業者の可能性も高いです。
(保険を利用しない場合でも)依頼する業者の候補に考えても良いと思います。
保険料の負担額や見積りの金額次第では、『リフォーム瑕疵保険』の利用も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。