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塗装工事の高圧洗浄に必要な作業時間・乾燥の目安は?【3種類の洗浄方法の単価も解説!】

家の模型と時計の画像
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こんにちは、マサキ工房です。

21年間のリフォーム営業と工務5年の経験をもとに、「住まいのリフォームに関する悩みや疑問を解決する記事(情報)」をお届けしているブログです。【2016年11月~小さな工務店を経営】

パソコン会社員

塗装工事でおこなう”高圧洗浄”は、塗料の密着性や耐久性をよくするために欠かせない作業です。

しかし、なかには”作業を簡単に済ませる”・”乾燥時間を守らない”、というような業者もあるため注意が必要です。

僕はこれまで、外壁塗装の見積り(商談)を2,000件以上、そのうち1,200軒以上の契約・完工を経験してきました。

高圧洗浄の作業は、(洗う面積が少なくないかぎり)1~2時間程度で終わることは滅多にありません。

塗装する箇所だけでなく、高圧洗浄の水しぶきで汚れた部分も洗う必要があるからです。

この記事では、塗装工事の高圧洗浄に必要な「作業時間・乾燥の目安」や”3種類の洗浄方法”について解説しています。

記事を読むことで、塗装工事の高圧洗浄で重要なポイントがわかります。

塗装工事の業者選びのときに、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。

塗装工事の高圧洗浄に必要な作業時間は?

時計と本の上に置いたマグカップの画像

塗装工事の高圧洗浄に必要な作業時間は、「外壁・屋根・付帯部」の汚れ(コケ・カビ等)や、建物の形状・素材によって変わります。

作業中は、洗浄機の音がさわがしく、汚れた水しぶきもご近所へ飛散するため「ご近所に迷惑をかけないだろうか?」とか「できるだけ早く終わってほしい・・」というかたも少なくないことでしょう。

塗装工事の高圧洗浄に必要な作業時間の目安

下記は、戸建住宅(25~50坪)の塗装工事をする際、高圧洗浄に必要な作業時間の目安をまとめた表です。

洗浄箇所平屋(時間)2階建(時間)
外壁塗装3~54~6
屋根塗装2~42~4
外壁・屋根塗装4~84~8

外壁塗装は、付帯部(破風板・軒天・雨樋・雨戸)の洗浄も含みます。

上記の表にあるとおり、戸建住宅(25~50坪)の塗装工事の高圧洗浄は、外壁・屋根塗装をする場合でも、4~8時間以内で終わります。

*次の日までかかることは滅多にないです。

総2階建住宅の場合は、(足場に洗浄のホースが絡まりにくく)作業がしやすいため、(上記の目安の時間より)短い時間で終わることもあるでしょう。

もし、”屋根足場を設置する屋根塗装”の高圧洗浄をする場合は、(上記の目安の時間より)長引くことがあるかも知れません。

また、(お客様のほうから)指定することはできませんが、塗装業者の使用する高圧洗浄機のグレード(圧力)よっても作業時間に差がでます。

高圧洗浄機のグレード(圧力)によって作業時間に差がでる

高圧洗浄の作業時間は、高圧洗浄機のグレード(圧力)によって差がでます。

(一般的に)塗装業者が戸建住宅に使用する高圧洗浄機の値段は、20~35万円前後が主流です。

*なかには、50万円以上する高圧洗浄機を使用する塗装業者もあります。

作業時の音が静かな「静音(防音)タイプ」や、圧力の高い機械ほど値段は高いです。

圧力の高い洗浄機の場合、素材から離れた位置で洗浄しても汚れは落としやすく、いちどに洗える面積も広くなるため作業時間は短くで済みます。

一方、圧力の低い洗浄機の場合、素材に先端(ノズル)を近づけて洗わないと汚れを落としにくく、いちどに洗える面積がせまくなるため作業時間は長くなります。

マサキ

外壁・屋根塗装の場合、1~2時間くらい作業時間に差がでることも珍しくないです。

高圧洗浄機に関係なく作業時間が長引くケース

(コロニアルなど)スレート系の屋根材や(劣化のひどい)外壁・屋根材は、圧力をかけすぎると破損してしまうおそれもあるため要注意です!

このようなケースでは、圧力を下げて(調整しながらの)作業が必要となるため、高圧洗浄機に関係なく作業時間が長引いてしまいます。

雨の日に高圧洗浄すると汚れが落ちやすい

雨の日に高圧洗浄すると汚れが落ちやすいです。

そのため、すでに足場を設置している状況であれば、雨の日に高圧洗浄することは珍しくありません。

また、雨の日に高圧洗浄すると、以下2つのメリットがあります。

  • 汚れが落ちやすい=作業時間が短くなる
  • 使用する水の量(水道代)が少なくて済む

もし、雨の日の作業が気になる(好まない)かたは、「雨の日に高圧洗浄するケースがあるのか?」を事前に確認してみてください。

このように、塗装工事の高圧洗浄は、「洗浄する面積(箇所)」や「高圧洗浄機のグレード(圧力)」などによって作業時間に差が出ます。

しかし、よほど面積が少なくない限り、1~2時間くらいで終わることは滅多にないため、業者の手抜きに注意してください。

作業時には近隣住人とのトラブル防止のためにも、飛散防止ネット(メッシュシート)やブルーシート等の取付けは、雨の日でも必要不可欠です。

(関連記事)

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高圧洗浄後の乾燥時間の目安

窓辺に置いたカレンダーの画像

高圧洗浄乾燥時間の目安は、最低でも2日間(48時間)以上が目安です。

そのため、(基本的に)高圧洗浄の翌日は、作業が休みになります。

もし、完全に乾燥していない素材に塗装すると、塗膜が剥げてしまう原因にもなるからです。

しかし、以下の3つの作業については、翌日でも問題ありません。

  • 高圧洗浄の水しぶきで汚れた箇所の清掃
  • 窓(サッシ)まわりのビニール養生(マスカー)
  • サイディング目地のシーリングの除去

サイディング目地のシーリング工事で、高圧洗浄の翌日に作業しても問題がないのは”シーリングの除去”だけです。

新しいシーリング材の充填(じゅうてん)は、(ふくれ割れの原因にもなるため)翌日の作業は好ましくありません。

マサキ

「高圧洗浄後の乾燥期間は何日くらいなのか?」を事前に確認しておきましょう。

サイディング目地のシーリング工事には、「打ち替え」(先打ち・後打ち工法)と「増し打ち」の方法があります。

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水道代の負担は?3種類の洗浄方法の特徴と単価【費用相場】

バケツに水を貯めている画像

高圧洗浄の水道代は、お客様と塗装業者のどっちが負担するのが一般的なのでしょうか?

水道代の負担は?

塗装工事の高圧洗浄は、お客様宅の水道を使用して作業をおこないますが、”水道代はお客様負担”というのが一般的です。

そのため、(見積書の備考欄などに)「*水道代(料金)はお客様負担となります」等と記載されます。

高圧洗浄で使用する水道代(お客様負担)は、約1,000~2,000円くらいです。

また、高圧洗浄の種類によって使用する水の量や見積り金額も違います。

3種類の洗浄方法の特徴と単価【費用相場】

塗装工事の高圧洗浄は、以下の3種類の方法があります。

  1. ストレート(噴射)洗浄
  2. トルネード(噴射)洗浄
  3. バイオ洗浄

*それぞれの特徴や単価(=1㎡あたりの施工価格)、塗装面積100㎡の場合の費用相場を比較してみましょう。

1.ストレート(噴射)洗浄

ストレート(噴射)洗浄」は、塗装工事でもっとも使用する洗浄方法です。

高圧洗浄機のガン(持ち手)の先端から、文字通りまっすぐ(=ストレート)に水を噴射します。

*見積書には、ストレート(噴射)の文字は省略して、”高圧洗浄”のみ記載されるのが一般的です。

「ストレート(噴射)洗浄」の単価は1㎡あたり150~200が相場です。

塗装面積100㎡の場合 → 15,000~20,000円が費用相場になります。

2.トルネード(噴射)洗浄

トルネード(噴射)洗浄」とは、ガン(持ち手)の先端ノズルが回転しながら、円を描くように水を噴射する洗浄方法です。

ストレート(噴射)よりも圧力があがるため、汚れ(青コケ・カビなど)が落ちやすくなります。

「トルネード(噴射)洗浄」は、以下のようなケースで見積りされます。

  • 外壁のチョーキング(白亜化現象)がひどい場合
  • 金属系(アルミサイディング)の外壁の場合
  • 外壁・屋根ともに(青コケ・カビなどがひどく)面積が広い

上記のようなケースでは、通常のストレート洗浄をおこなうと汚れなどを落とす圧力が足らないため、作業時間が長引く(=水道代が高くなる)からです。

「トルネード(噴射)洗浄」の単価は、1㎡あたり150~300です。

塗装面積100㎡の場合 → 15,000~30,000円が費用相場になります。

3.バイオ洗浄

バイオ洗浄」とは、薬品を使ってカビの菌を根っこから落とす(殺菌する)方法です。

「①薬品を噴射(塗布)して殺菌」→「②通常の高圧洗浄」の2工程になります。

しかし、(近年は)下塗り材の防藻・防カビ性能が向上していることもあり、「バイオ洗浄」を積極的におこなう塗装業者の割合は少ないです。

マサキ

あまりにもカビがひどい場合には、(塗装しても菌が繁殖しやすいため)”バイオ洗浄”を検討すると良いかも知れません。

*ただし、薬品の成分次第では、庭木や植物が枯れてしまう恐れもあるため注意してください。

「バイオ洗浄」の単価は、1㎡あたり300~500です。

塗装面積100㎡の場合 → 30,000~50,000円が費用相場になります。

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上記3種類の洗浄方法の単価相場をまとめると、以下のとおりです。

洗浄方法単価相場(円/㎡)
ストレート(噴射)洗浄150~200円
トルネード(噴射)洗浄150~300円
バイオ洗浄300~500円
マサキ

見積書を確認する際には、上記の単価を参考にしてみてください。

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高圧洗浄しない業者には要注意!

錆び付いた鉄の画像

(ごく稀に)高圧洗浄しない業者が存在するため要注意です!

マサキ

僕は1990年代からリフォーム業界にいますが、その頃から高圧洗浄しない業者は実際に存在します。

このような悪質業者は、以下のようなことを強く主張するようです。

  • 素材との密着性が良い塗料のため”高圧洗浄なし”でも剥がれません
  • 高圧洗浄しなくてもよい塗料のため安価で工事することができます・・・等々

しかし、外壁・屋根塗装工事において高圧洗浄は、塗膜を長持ちさせるために必要不可欠の作業です。

高圧洗浄しない業者に営業された場合には、どんなに安くても工事を依頼しないことをおすすめします。

ただし、つぎのようなケースでは「高圧洗浄しないほうが無難?」といえるでしょう。

高圧洗浄しないほうが無難?なケース

プロの塗装職人は、以下のようなケースではあえて”高圧洗浄しない”こともあります。

  • 高圧洗浄すると素材が破損する可能性がある場合(腐食した鉄・木部など)
  • 大掛かりなケレン作業が必要な場合

上記のようなケースでは、破損した場合に追加料金を支払って交換(修理)するのが前提であれば高圧洗浄しても問題ないです。

しかし、交換(修理)をしない場合は、高圧洗浄しないほうが無難といえます。

(腐食した鉄・木部など)劣化のひどい箇所が多いお住まいのかたは注意してください。

高圧洗浄のトラブルを防止するための確認事項

お風呂場のサッシ窓の画像

 高圧洗浄のトラブルを防止するため、(当日までに)以下の6つを確認することをおすすめします。

  1. 窓(サッシ)を全部カギまで閉める
  2. 使用する水道の元栓を開ける
  3. ベランダ・勝手口の床に物を置かない(サンダル等)
  4. 洗濯物は部屋干しする
  5. 外部コンセント等の確認
  6. 高圧洗浄の作業範囲を確認する
マサキ

なぜ確認が必要なのか?を順番に説明します。

1.窓(サッシ)を全部カギまで閉める

高圧洗浄の際には、室内への水の侵入を防ぐため窓(サッシ)を全部カギまで閉めるほうが良いです。

「窓を閉めたつもりが少しだけ開いていた」、ということがあるからです。

高圧洗浄で汚れた水が、室内へ侵入してしまうケースも珍しくありません。

とくに、2階に風呂場・トイレのあるかたは、閉め忘れるかたが多いため注意してください。

室内をみられたくないかたは、カーテンも閉めるようにしましょう。

2.使用する水道の元栓(カギ式の屋外水栓)を開ける

カギ式の屋外水栓の画像

高圧洗浄は、大半のケースで屋外にある水道を使用します。

しかし、元栓が閉まっていたり、カギ式の屋外水栓のカギを”はずしたまま”になっていたりするケースが稀にあります。

とくに、(共働きなどで)家を不在にするかたは注意が必要です。

高圧洗浄に「カギ式の屋外水栓」を使用するかたは、(当日)なにも作業ができないため絶対に忘れないようにしましょう。

3.ベランダ・勝手口の床に物(サンダル等)を置かない

高圧洗浄は、(屋根など)高いところから順番に作業をおこないます。

とうぜん、色々な箇所を確認しながら作業をしますが、(職人は)どうしても足元が不注意になりがちです。

そのため、ベランダ・勝手口の床に置いてある物(サンダル等)に気づかず、高圧洗浄で汚してしまうことがあります。

ベランダ・勝手口の窓(サッシ)のカギを閉める際、「床に物を置いていないか?」も同時に確認しましょう。

4.洗濯物は部屋干しする

「敷地(庭)が広いから大丈夫なのでは?」という場合でも、洗濯物は部屋干しすることをおすすめします。

屋根や2階部分の高いところを高圧洗浄すると、強い風が吹いたときに5~10m以上は水しぶきが飛散するからです。

*隣家の洗濯物に飛散する可能性もあります。

大半の塗装業者は、着工まえに隣家のかたにも(高圧洗浄の当日には)洗濯物を干さないようお願いをすると思いますが注意してください。

洗濯物は足場の設置・解体時にもトラブルの原因になるため、できるだけ部屋干ししましょう。

(関連記事)

>>外壁塗装の足場でよくある8つのトラブル事例【対策と2つのNG行為も解説!】

5.外部コンセント等の確認

外部コンセント等が「使用できる状態なのか?」は、着工まえに確認することをおすすめします。

(万が一)漏電した場合に、「もともと故障していた・故障していなかった」など、作業員とイタチごっこになる可能性もあるからです。

とくに、(新築してから)「いちども外部コンセントを使用したことがない」、というかたは注意しましょう。

6.高圧洗浄の作業範囲を確認する

塗装工事では、(ブロック塀や土間コンクリートなどを含め)高圧洗浄の作業範囲は業者によって違います。

そのため、「これくらいは洗ってくれるはず」等と、決めつけないようにしましょう。

(できれば契約まえに)高圧洗浄の作業範囲を確認してみてください。

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>>外壁塗装の高圧洗浄はどこまで洗うのが一般的?ブロック塀や土間コンクリートは別料金!?

上記6つを(作業当日までに)確認しておけば、高圧洗浄でよくあるトラブルを回避することができます。

外壁・屋根塗装工事では、足場を設置してから(つぎの高圧洗浄の作業まで)現場が数日間休みになることも珍しくありません。

そのため、上記6つはお客様が確認するのを忘れがちです。

マサキ

とくに、(共働きなどで)作業当日に家を不在にするかたは注意しましょう。

まとめ

塗装工事の高圧洗浄に必要な「作業時間・乾燥の目安」や”3種類の洗浄方法”について解説させて頂きました。

塗装工事の業者選びのときに、この記事の内容を参考にして頂けると幸いです。

高圧洗浄は、”塗装の仕上がりの良し悪し”を左右する重要な作業です。

作業中は、(洗浄機の騒音やご近所への配慮も)大変ですが、無事に終わりさえすれば残りの塗装作業は心配も少なくて済みます。

作業は1日(8時間以内)で終わるため、よくあるトラブルだけは確認事項を参考にしながら注意してください。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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